~四百年超親しまれ続ける、「白酒」をヒントに~
豊島屋としての酒造りの起源は実は日本酒ではなく、「白酒(しろざけ)」にあります。
「白酒」は、蜜醂(みりん)にもち米や麹をすり潰して仕込んだ甘いお酒のことで、東京が「江戸」と呼ばれていた時代から女性たちに愛されてきたお酒です。
元祖ともされる「豊島屋の白酒」は、当時は売り出しの日には夜明け前から大行列で、歌舞伎や浮世絵にも登場するほどの人気ぶり。ちなみにトップの絵は、江戸名所図会(江戸時代後期、出版:斎藤月岑、絵:長谷川雪丹)に描かれた「鎌倉町豊島屋酒店 白酒を商う図」。当時の盛況ぶりが描かれており、まさに白酒は豊島屋の代名詞ともいえるお酒です。
そして豊島屋はいまだに昔ながらの製法を守り、白酒を造り続けています(雛祭りの季節に合わせての限定販売)。
このように、豊島屋にとって白酒は特別なもの。しかし、その白酒のベースとなる蜜醂が、元来調味料ではなく、「甘いお酒」として造られていたことをご存じの方はかなり少ないですよね。
原点回帰と、温故知新。蜜醂の原点を見つめ直し、「飲み物としての蜜醂を造りたい!」という思いで、約3年半前から「 Me 」の構想がはじまりました。
次回は、「伝統製法で造られた蜜醂」が現代の方にこそオススメできる理由をお届けします。