2026年9月28日(月)、神田豊島屋の新商品「柳蔭またの名を本直し」の発売日に、日本の酒情報館でお披露目の会を開きました。ご招待した皆さまと、落語を聴き、つくり手の話を聞きながら、柳蔭を6杯味わう2時間です。柳蔭研究会のこれまでの成果を報告する場も兼ねました。
会場の日本の酒情報館は、東京・虎ノ門にある日本酒造組合中央会の施設です。日本酒・本格焼酎・泡盛・本みりんなど「日本の酒」の魅力を、見て、触れて、味わえる場所として親しまれています。
この記事では、当日の流れに沿って会の様子をお伝えします。
開会と落語「青菜」

司会の緑川静香さんの開会のあいさつ
司会は、女優・タレントで唎酒師の緑川静香さん。開会のあいさつのあと、神田豊島屋 代表取締役社長の木村倫太郎が、ご来場のお礼とともに、この日が新商品の発売日であることをお伝えしました。

開会のあいさつをする木村倫太郎
最初の演目は、落語協会 真打の鈴々舎馬桜 師匠による一席「青菜」です。植木屋さんがお屋敷のご主人から「柳蔭」をふるまわれる噺で、柳蔭というお酒が江戸の人にとってどんな一杯だったのかが伝わってきます。神田豊島屋の商品ページに載せている「青菜」の解説も、師匠に監修をいただきました。

口演を終えた鈴々舎馬桜 師匠
「当時の柳蔭」と、柳蔭研究会の報告
噺のあとは、第0杯として「当時の柳蔭」をお出ししました。米焼酎と、神田豊島屋の飲むみりん「Me 無濾過生原酒 クラシック」を等分に合わせ、氷を浮かべた一杯です。江戸の文献に残っているのは「焼酎とみりんを等分に合わせる」というところまでなので、当時そのものというより、当時と同じ合わせ方で作った一杯です。この味を覚えておいていただき、あとで本商品と飲み比べていただきました。
続いて木村が、柳蔭研究会でこれまでに調べてきたことをスライドで報告し、新商品「柳蔭またの名を本直し」をお披露目しました。

スライド「江戸時代の“カクテル”柳蔭」を使った研究会の報告

スライドを指しながら説明する木村

スクリーンに映した新商品「柳蔭またの名を本直し」
つくり手がそろって登壇
トークセッションには、柳蔭をつくった3社が登壇しました。焼酎「GLOW EP05」をつくる鹿児島県志布志市の若潮酒造からは、取締役の上村曜介さんがオンラインで、営業と企画デザインを担当する吉井さんが会場で参加。調合を手がけた株式会社Fame’s 代表取締役で、バーテンダー・蒸溜家として静岡県下田市でSHIRAHAMA DISTILLERYを営む伊藤広光さんと、木村の3人が前に並びました。

鹿児島からオンラインで参加した若潮酒造の上村曜介さん
上村さんは芋焼酎の仕込みの時期と重なり、画面越しのご参加です。木村との出会いは、ちょうど1年前に出場したお酒のプレゼンテーションの大会でした。「そこで初めて、飲むみりんがあることを知りました。木村さんの取り組みには刺激を受けますし、自分たちも負けたくないと思ってきました。その中でGLOWを使いたいと声をかけていただき、本当に嬉しく思っています」と話し、試作の段階から味わってきた本商品については「個人的にはお湯割りがいちばん美味しかった」と教えてくれました。
吉井さんは、2017年にGLOWを最初に提案した方です。「焼酎はエンターテインメントだと思っています。歴史のあるものと新しいものを組み合わせて、次の世代に届けられるのが嬉しい」とあいさつしました。伊藤さんは「バーテンダーとしてお客さまと直接話す中で聞いた声を、お酒づくりに生かしています。柳蔭研究会のころから関わってきた企画を形にできて嬉しい」と話しました。

左から木村、吉井さん、伊藤さん
一杯目 氷を浮かべて
ここからは、本商品を5通りの飲み方で味わっていただきました。一杯目と五杯目はスタッフがお持ちし、二杯目から四杯目は各テーブルでお客さまご自身に作っていただくスタイルです。一杯目は、さきほどの「当時の柳蔭」と同じく氷を浮かべて。氷が溶けるにつれて味と香りがまとまっていくので、ひと口目と1分ほどたってからのひと口を比べていただきました。

一杯目を味わいながらトークセッションが始まる
焼酎とみりんを合わせるだけなら家でもできるのに、なぜ1本のボトルにしたのか。司会の問いに木村は、「柳蔭には掛け算の面白さがあります。そのいちばん良い組み合わせを1本に詰めて、多くの方に味わっていただきたかった」と答えました。江戸時代の文脈は崩さずに、少しだけアレンジを加えたのが今回の「柳蔭またの名を本直し」です。焼酎には「GLOW EP05」を選びました。「もともとGLOWが大好きで、商品にするなら最初に若潮酒造さんにお声がけしたいと思っていました」。
伊藤さんは、昭和や戦前の酒屋の看板に「焼酎みりん直し」と書かれたものが残っていることにふれ、「かつては当たり前に楽しまれていた飲み方です。それがいま、形として残ることに意味があると思います」と話しました。
二杯目 冷やにて
二杯目からはテーブルで作っていただきます。目盛りのついたカップで柳蔭を15ml量り、グラスに移して、そのままの香りを確かめました。アルコール分は28%。量はお好みで加減していただきました。

テーブルで柳蔭を注ぐお客さま
この一杯をきっかけに、話はGLOW EP05へ。吉井さんは「スペックだけではない世界観をつくりたかった」と、GLOWが生まれたいきさつを話してくれました。当時の社長に何をしたいのかを伝えたところ、「面白いことをやってみたら」と背中を押され、香りを前面に出した焼酎として世に出したそうです。マスカットを思わせる華やかな香りで、ひと口で個性がわかるのが特徴です。

GLOW EP05について話す吉井さん
通常はアルコール度数25%で販売しているGLOWですが、本商品には一般販売されていない原酒(約40%)を使っています。伊藤さんは「度数は上げられませんが、下げることはいくらでもできます。高いところから下げていくほうが、可能性が広がります」と、原酒を使った理由を説明しました。吉井さんも、麹を使用する焼酎は食事と幅広く合わせられると話し、イタリア料理の店などでも焼酎を取り入れる動きがあることを紹介しました。

原酒を使った理由を話す伊藤さん
三杯目 等分の水にて
三杯目は水割りです。柳蔭を15ml、そこに水を加えて30mlの線まで。柳蔭と水が1対1になります。会場からは「全然違う」という声が上がりました。

テーブルでの一杯づくり
水の話になると、客席の馬桜師匠からも声が上がりました。水を変えただけで味がまるで違ったこと、お茶の稽古でも水で味が変わると教わったことなど、師匠ならではの話に会場がわきました。吉井さんも、若潮酒造の仕込み水についてふれ、「よい水のあるところに蔵を建てる。水は大事です」と応えました。
本商品には、江戸のレシピにはない塩をごく少量加えています。木村が「江戸の文脈を崩さずにアレンジを加えたかったので、日本酒を飲む際に桝の縁に塩を盛るところから着想を得た」と前置きし、調合を担当した伊藤さんが理由を説明しました。「柳蔭はアルコール分28%と、度数が高めです。普段からお酒を飲む方にも、文化に興味を持って手に取る方にも楽しんでいただきたい。体の塩分に近い割合で塩を加えると、体になじみやすくなります。味にもメリハリが出て、炭酸で割っても負けない骨格になります」。

塩を加えた理由を話す伊藤さん
塩の量は、木村が蒸溜所に足を運び、そのまま飲んだときと割ったときの両方を想定して、何度も試しながら決めました。使っているのは、江戸時代からの製塩方法である「揚げ浜式の塩」です。
四杯目 炭酸仕立てにて
四杯目は炭酸割り。柳蔭15mlに、炭酸水を1.5倍ほど注ぎます。炭酸はお酒の香りを一部消してしまうこともありますが、塩が入っていることで味にメリハリが残り、軽やかな一杯になります。

四杯目の作り方を案内する緑川さん
今日の5つの飲み方は、2026年4月27日の試作会で決めたものです。伊藤さんは「どうやって皆さんに楽しんでもらいたいかを、3人で話し合いました。飲み方を難しくすると、かえって手に取りにくくなります。誰でも家で簡単に作れる比率を意識しました」と振り返りました。

試作会を振り返る伊藤さんと吉井さん
五杯目 等分の湯にて
試作会でいちばん評判がよかったのが、お湯割りです。最後の一杯は、本日のお土産にお持ち帰りいただくオリジナルのおちょこでお出ししました。

おちょこにお湯割りを注ぐ
伊藤さんは「水割りやお湯割りは、ごまかしがききません。GLOWもみりんも雑味のないきれいなお酒なので、合わせると余韻が長く伸びて、体にしみわたるような一杯になります」と話しました。吉井さんによると、鹿児島ではお湯の温度は70〜80℃がよいとされます。熱すぎるとアルコールが飛んで荒くなり、温度が下がるにつれて甘みが増していく変化も楽しめるそうです。

鹿児島のお湯割りの作法を話す吉井さん
登壇者のあいだではお湯割りの評判が高かった一方で、会場で「いちばん美味しかった」と手が挙がったのは、意外にもロックでした。どの飲み方を気に入るかは人それぞれで、客席からはさまざまな感想が寄せられました。

客席に感想を聞く緑川さん

感想を話してくださったお客さま
最後に、この1本をどこで、誰と、どんなふうに飲んでほしいかを、登壇者に聞きました。吉井さんは「ご自宅で、一日の終わりにゆっくり飲んでほしい」。伊藤さんは、読み物を多く載せたボトルのラベルにふれ、「ボトルに巻いた紙には、師匠にご協力いただいて落語も載せています。飲むだけでなく、その歴史も一緒に楽しんでいただけたら」。木村は、包装紙を兼ねたリーフレットに柳蔭と本直しの話や飲み方を載せていることを紹介し、「お土産やギフトにも使っていただけたら嬉しい」と話しました。
質疑応答
質疑応答では、お客さまからいくつも質問をいただきました。

質疑応答コーナーでは、客席から多くの質問が。
燗をつけてもよいか、という質問には、吉井さんが「燗もよいと思います」と答え、1週間ほど前に水で割っておく「前割り」も勧めました。カクテル風にするなら何を合わせるか、という質問には、伊藤さんがローズヒップティーや乾燥させたバラの花びらを挙げました。水割りやお湯割りに浮かべると、まずバラの香りが立ち、そのあとにGLOW、みりんのコクへと香りが移っていくそうです。
本商品は、豊島屋Rita-Shopの店頭と公式オンラインショップで販売しています。取り扱ってくださるお店も募集していきます。
締めのごあいさつ

「柳蔭またの名を本直し」を手に、左から吉井さん、木村、伊藤さん
記念撮影のあと、木村が締めのあいさつをしました。「柳蔭のもとには、米を醸す酒づくりと、海を渡ってきた蒸留の技術、そして合わせる技術があります。その全体を、麹という日本の酒文化を支えるものが一貫してつないでいます。究極の日本の酒、と言ってみたいと思っています」。これからも研究会や商品開発を通じて柳蔭の魅力を伝えていくことを約束し、ご協力いただいた皆さまへの感謝を述べて会を締めくくりました。

締めのあいさつをする木村
ご来場いただいた皆さま、ご出演いただいた鈴々舎馬桜 師匠、緑川静香さん、登壇いただいた上村さん、吉井さん、伊藤さん、そして会場をお貸しいただいた日本の酒情報館の皆さまに、心よりお礼申し上げます。

「柳蔭またの名を本直し」のボトル
商品情報
柳蔭またの名を本直し
品目:リキュール(みりんと焼酎のリキュール)
内容量:300ml
アルコール分:28%
価格:2,761円(税込)
発売日:2026年9月28日(月)
製造:株式会社Fame’s 白浜蒸留所/販売:有限会社神田豊島屋
お求め:豊島屋Rita-Shop 店頭、公式オンラインショップ
商品ページ:https://me-toshimaya.com/yanagikage/vol-1/
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